10.28.2019
救われた木
近所に程よい大きさの公園があり
沢山の大きな木があるが
その中に一本だけほっそりとした
八重桜の木がある
我が家の周りの子ども達はみんな元気一杯
で走り回り、大きな木で木登りする
今も子ども達が木登りするのだと思うと嬉しい
だがなぜかほっそりした八重桜の木に対して
子ども達は情熱を持って力を合わせて抜こうと
するのだ
わざわざロープを持ってきて引っ張ったり
四人かがりでぶら下がったりとにかく激しい
こんなに細い木だが春には大きな八重桜
を咲かせているのも知っていたので
私は何とかならないかなあといつも思っていた
ある日、女の子達のグループがいつになく
執拗に細い木を抜こうと繰り返していた
どんどん興奮が高まり奇声をあげている
あんまりの事に心が痛み、そろそろちょっと
声をかけようかなと思っていたところ
おじいさんが現れて
そんな事をしたら木が可哀想だよ
みんなの木だから大切にしなくちゃね
と優しく言って、結んでいた紐を解かせた
私が言うよりずっと良かったし
自然の大切さまで伝えてくれて嬉しかった
その後も何度も子ども達の襲撃にあいながら
も生き延びていた細い木を見守り続けていた
が先日の台風でとうとう倒れてしまった
何人かの人が添え木をしたりして治したりして
いたが誰かが連絡したのだろう
役所の人たちがブルドーザーと共に現れた
危ないからと言う理由できっと抜かれてしまう
のだろうなととても悲しい気持ちでいたが
周りに黄色いテープで囲まれしっかりと
植え直され、斜めになっていたところを
まっすぐにされしっかりとなった
黄色いテープがあるので誰も入れないようにも
なっているしむしろ前より良い状態となった
しばらくの間葉っぱは下に垂れ下がり
枯れないか心配していたがそれも大丈夫なようだ
引っ越してきて1年間
毎日心配していた八重桜がこんな形で救われた
ことで私はさらにこの土地が好きになった
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿