3.17.2020

夫婦の美学


昨夜、夫と夕食を取りながら話している
時、本当にくだらない事でお互いに気分
を害し話しが中途半端な状態で夫はさっ
さと寝てしまった




そのくだらない事とは「伊豆」のアクセント
について




夫が伊豆のい、にアクセントを強くおい
たので、それは違う、そのアクセントだ
と、ハワイの歌手のIZになっちゃうよと
IZの踊り子じゃなくて、伊豆の踊り子と
言えば違いがわかるでしょ?と言うとム
ッとした夫がパソコンで本当にそのアク
セントが正しいかを調べ出したのを見た
私がカチンときたという、しょうもなさ
すぎる内容なのだ




私たち夫婦は新婚当時を抜かせば今では
ほとんど喧嘩をしないが、このように心
の底からくだらない痴話喧嘩は起こる




後から思えばくだらないのだが、その時
にはお互い絶対に譲らない構えで接する
のでますます状況は悪くなる




大抵において、夫と私は正反対の意見を
もっているので、ぶつからない方が奇跡
とも思える




道に迷えば、絶対に今では100%の確率で
右と左を逆に言う
私は塩ラーメンが好きで夫は味噌ラーメン
が好きで、夫は頭脳波で私は感覚派だ




全く違う二人が一緒になり、お互いを支え
合うというような美しい物語は私たちには
当てはまらず、一人一人が別々の人格なの
で分かり合えない部分はあるけれど、理解
に努めているといった具合だ




だが二人がたった一つ、これだけは絶対に
同じと言えるものがある




それは相手を特別な人間だと思っている事だ




私は夫を世界一の天才であると思っていて
夫は私を類まれな才能の塊だと思っている




これがお互いを尊敬しあえる鍵となり
お互いの存在があるからこそ
信じるからこそ
さらに高い場所へと行けると考えている
自分以上に相手が自分の才能を信じている




夫の後輩は私を夫の女神と呼ぶが、お互いが
自分のミューズのような存在と言えるだろう




私の人生は正直に、沢山の失敗や間違いや
過ちを繰り返し、人に誇れるものばかりで
は決してない
それは夫も同じだと言う




多くの痛みを抱え
今もお互いの胸の奥深くにあるものは
きっと全てはわからない




だが私たちは、特別で他にはない存在だと
思える相手を見つけた
未だ胸の奥にある痛みを癒しはしなくとも
相手の存在が故に救いとなる




それは運命的な出会いではなく
出会ってすぐにそうなった訳ではなく
時間と忍耐とで作り上げた




時には投げ出したくなったり
しょうがない事で頭にきたり
口も聞きたくない日もあり
どこか遠くで一人でいたいと思う時もある




私たち夫婦に美学があるとするのなら
諦めず乗り越え、人生を求め続ける事
それができるのはやはり特別な相手だ






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