11.22.2019

美しい家族



私のゴッドマザー
通称「ママ」は60歳の時に
フランスのルルドに巡礼に行った際に
同じく巡礼の旅に参加していた
通称「パパ」と出会い
遠距離恋愛の末、結婚した





ママはこの年齢の方には珍しい
バリバリのキャリアウーマンで
リタイアした後は国内外問わず
巡礼の旅をする事を趣味としていた





パパとママの年の差は10才違い
パパは奥さんを亡くしたので再婚になるが
ママは初婚であった





ママの友人たちは反対はせずとも
介護に一直線になっちゃうわよ
と言っていたらしい





ママはこの先が介護だとしても
神様が下さる時間の限り
共に過ごすと言い
しっかりとやり遂げた





そう、パパはママに見送られ
一足先に神様のところへと旅立った





パパとママとの時間が
長かったのか短かったのかはわからない





パパが病気になってしまった時にママは
それがいつかは神様が決める事だものね
と明るく言った
その気丈な明るさに私は胸がつまった





私がパパの姿を思い出す時
それは彼が手を合わせて祈っているところ





パパが祈ればなんでも叶うような気がした
だがパパは何を祈っていたのだろう





一昨日パパからの手紙がママから届いた





手は何もできない
けれども最後まで合掌できる
愛する全ての人のうえに
神の恵みを求めるために





私が祈る私自身の事のようなものではく
誰かの為に祈っていたのだ





私とパパとママは
血の繋がりはない
パパとママと私
そして時々夫





出身地もバラバラ
血の繋がりもない





だけど何かあるとママがいつも矢面に立ち
私に何か言う人に、時には噛み付き
いつも守ってくれた
パパはいつでも横で静かに微笑んでいる





以前、Asami先生のブログに
フランス語では義理の家族の事を
美しい家族と呼ぶとあったような気がする
それとも美しい娘だったかもしれない





ゴッドファミリーなんて言葉はあるのかな
だが私はこの家族を
美しい家族と呼びたい





遠くない未来に
私はママとルルドに旅ができたらいいなと思っている





美しい家族の始まりの地へ






美しい家族であるパパ、ミカエルに捧げる






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