残念なことに私は記憶力がとても悪い
何かを覚えるのに本当に時間がかかる
時間をかけて覚えた事は忘れないと言うが
すぐに忘れてしまうという二重苦なのだ
ヨガのシークエンスは覚えるのが難しそうですね
とたまに聞かれるのだが
流れを自分で作っているのもあるし
修正を入れながら微妙に変化するのでそれほど難しくはない
自分以外のところから発生したものが
とにかく覚えられない
ダンスの振り付けなどその場では
ほんのちょっとも覚えられず
とても辛く苦しく恥ずかしい時を過ごし
家に持って帰り練習をする
その覚え方とはひたすら繰り返しだ
それを次のレッスンの日まで繰り返す
努力してるねと言われるが違う
すぐ忘れてしまうからやるしかないのだ
覚えるだけでは上手い人にはかなわない
センスの良い人は覚える以上の事ができるからだ
だからせめて最低ラインである
覚えるという事をする
同じく、覚えられず出来ないという
チームメイトが一緒に練習しようというので
私と同じようにやったら根を上げていた
「100回やったら覚えられるよ」
私が言うと、彼女は笑った。
だが私は本気だ
出来なければ100回やる
それでも出来なければまたやる
もし私が先に覚えても
彼女の100回にも付き合う
仲間の覚えたい気持ちにはとことん付き合う
だが後に
彼女はそこまでやりたくなかったとわかった
サラッと簡単に覚えられる方法を
知りたかっただけだった
彼女にとっては
私が簡単に出来ているように見えたのだろう
結局彼女はまともに踊れなかった
出来ない事を内容がつまらないせいだ
などとも言いだした
言い訳の質まで悪いのだ
もう一人の別のチームメイトは
私の100回練習仲間になった
彼女は持ち前のセンスの良さと努力で
一番後から入ったのにも関わらず
すぐにトップの仲間入りした
彼女は言った
あなたの100回を初めて聞いたときは驚いたけど
本当にできるようになるね
あなたがしつこくしてくれるから、一緒に練習すると楽しい
(彼女と私の間でしつこいとは私に対する褒め言葉なのだ)
もっと物覚えが良ければいいのにと日々思うが
きっと怠け者の私の事だから
覚えられればいいというラインでの
努力しかしなくなるだろう
不器用なやり方だが
私は自分とこうして付き合っている